製造業におけるホスピタリティ

こんにちは。日本ホスピタリティ・マネジメント学会事務局のブログ担当をしています、日本大学修士1年の栗原です。
毎週月曜日と金曜日20:00に更新しています当ブログですが、今回は日本の製造業についてお話しいたします。

製造業とは、製品を生産、提供する産業で、鉱業、建設業とともに第二次産業の一つに分類されています。その製造業のなかでも多くの分野に分類することができます。食料品、飲料、家具、電子機器など、日本を支える産業の一つと言えるでしょう。

そんな日本の製造業で最も盛んな産業は皆さんご存知でしょうか。経済産業省が発表している平成26年工業統計調査によると、産業別製造品出荷額等において、20.1%を占めるのが輸送用機械器具製造業です。2番目に多い化学工業が9.4%であるので、突出して多いことがわかります。ではこの輸送用機械器具製造業とは主に何を製造しているのでしょうか。

輸送用機械器具製造業とは、自動車や航空機、鉄道車両、自転車など人や物を運ぶ機械器具をつくる産業です。特に日本の自動車産業は世界の中でも有名ですよね。2014年の国際自動車工業連合会のデータによると、日本は中国、アメリカに次ぐ世界3番目の自動車生産量を誇っており、約980万台の自動車を生産しています。公共交通機関が整備されている日本において、この産業はとても重要な産業の一つではないでしょうか。

自動車産業の歴史

ここで、自動車産業の歴史を見てみたいと思います。19世紀に誕生したガソリン車は、貴族など階級の高い人たちの乗り物でした。しかし、1908年に発売されたT型フォードは、実用性の高さや価格の手軽さから、多くの民衆に手が届き、自動車の大衆化を果たしました。この出来事はアメリカの自動車産業に大きな貢献をし、モータリゼーション社会(自動車が大衆化された社会)が進展しました。

では、日本においてはどのように自動車が普及していったのでしょうか。1945年においての自動車保有台数は約14万台にすぎませんでした。しかし、GHQによる日本の乗用車生産制限解除をきっかけに、1950年には約36万台、1955年には約92万台の急速に普及していきました。

この二つの出来事には共通点があります。それは、安い値段で多くの自動車を届けるために、生産方式が確立されたということです。T型フォードの生産では、自動車を大量生産するための仕組みがつくられました。この仕組みは流れ方式、フォードシステムと呼ばれ、自動車生産の第一歩となりました。日本における自動車の普及においては、「必要なときに、必要な物を、必要な量だけ入手し、それを必要な場所に提供する」仕組みがつくられ、在庫・輸送費の削減とともに効率よく顧客に届ける生産方法として確立しました。

このように製造業、主に自動車のお話をいたしました。製造業とは、ものを作るだけでなく作ったものを人に届ける産業です。顧客がなにを求めているか考え、それを実現するための生産の仕組みをつくり、顧客に物を届けるという流れにホスピタリティを感じました。このような流れが100年以上前からできていたからこそ、今日の製造業の発展につながっているのだと思います。ネットワークの普及により、顧客の求めているものや、企業に対する評価が可視化しやすくなっている現在は、考えることの多い時代だと思いますが、顧客に対するホスピタリティの考えとともに今後も発展していく製造業に注目していきたいと思います。

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